2023年03月26日

遺産学会最終講座報告の№2

前回、島田理化といえば………で、№1を一旦終了させて頂き、今回、電波兵器にZ研究~島田理化工業への歩みを佐野さんが解説して下さいました。
しかし、内容があまりに濃密なので上手にまとめるには素人には困難極まりますので、どうかその辺りを斟酌下さると幸いです。
では前回「海軍技術研究所 Z研究後からの平和利用」まででしたので、№2最初は
遺産学会最終講座報告の№2

遺産学会最終講座報告の№2
さすがお集りの方々、皆さんZ研究・電波兵器となると講師の話と画像資料への熱視線がすごい❢
しかし、現実には研究は進めど実態はと…………
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電波の画像化に世界で最初に成功させ(1926年)、島田実験所にも関わった高柳健次郎氏は、その実現の困難さに言及していたようです。しかし、この研究に携わった(前回の新間代表の講座)人々は
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物理・電子・電波の泰斗が島田に結集したんですね。
ちなみに上から4番目の小田 稔さんには、1990年頃、当時理化学研究所理事長室でインタビューさせて頂いた記憶がよみがえってきました。そして、その他の研究者も
遺産学会最終講座報告の№2

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後列右から3人目が島田理化工業創設者の一人で、一時海軍島田実験所の分室長でもあった水間正一郎氏、その左2人目が小田 稔氏。

1945年8月15日、敗戦となったことから軍事兵器は平和利用へと転換される事となったと……島田実験所の兵器開発に深くかかわった伊藤庸二氏は
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1947年、東京に無線方向探知機などの製作会社を設立し、一方島田に残った水間氏やその仲間たちは
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19名の賛同者とともに
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敗戦から10ヶ月、1946年6月に実験所内にて創業したそうです。
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監査役に、後の島田市長森昌也氏の名前も見えます。その後の島田理化工業の変遷です。
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では、立ち上げた島田理化工業は当初はどうだったのでしょう。その当時の貴重な写真……
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と位置図です。
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さらに上空からの写真には……
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当時、島田一中が隣設していた事が判りますね。島田一中は、その後(1961年)現在地に移転したそうです。
河原町(現在は特種東海製紙敷地内)の工場配置図も示していただきました。
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初代・島田理化工業社長の山本氏
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ここからいよいよ本格的に島田理化工業は動き始めるのです。
1960年、創業当時の方々
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と、さらに1966年、実験室での1コマ。
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左から3人目が講師の佐野さんです。
写真では、順調に進んでいるようですが……創業から10年を経ずして
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会社は苦境に立たされる事となったそうです。
その原因は、朝鮮戦争(1950~53年)で、いわゆる軍需景気に沸いたのもつかの間、戦争特需は戦争が終われば需要はなくなる。なくなれば作った製品は在庫となり会社の足かせとなるのは当然と言えば当然の結果だったのでしょう。その会社の足かせとなったのが
遺産学会最終講座報告の№2
誘電加熱……まさに電子レンジと同じ原理で蒸着する機械。縫い目があれば水が浸みる、その浸みをシャットアウトするには縫い目をなくす(シームレス)、それが高周波ミシンの優れた所でもあったのしょうが、その高性能ミシンが会社に重くのしかかり、人員整理という「去るも・・、残るも・・」こうした苦境を乗り越えて理化工業は再生を果たして行ったたそうです。
1961年、そんな苦境の余韻のなか島田理化工業に就職された佐野さん❢ここで生涯の先輩(師)との出会いがあったようです。それは創業に同意した1人の“小長谷久雄”氏との出会い……
遺産学会最終講座報告の№2
小長谷氏が開口一番「待ってたぞ❢」この一言が、その後の佐野さんの人生への羅針盤となったそうです。
佐野さんの講座の中で、小長谷さんの思いでと共に名前も何度となく繰り返され、どれほど佐野さんの人生に大きな足跡を残されたのか想像に難くない思いを感ずる事が出来ました。
だからと言って、楽な仕事人生ではなかったでしょうが、佐野さんの講座をお聞きしていて心地よかったのは、揺るぎない「島田理化工愛❢」でした。
それもこれも小長谷久雄氏という先輩との出会いと、命の一言「待ってた」だったのではないでしょうか。
講座はまだまだ続きますが、一旦この辺りで閉じさせて頂きます。機会があったら№3をと考えています。
講座が高度であった半面、報告が稚拙で、専門的な方々が多々いる中どうか目をつむって頂けたら幸いです。



Posted by 4代目 マナビィしまだ  at 16:11 │Comments(1)

この記事へのコメント
記事を読んであらためて講座の内容が分かりました。
さすがです❕
Posted by 小林大治郎 at 2023年03月27日 10:39
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